日歯の研究チームは歯の中にある歯髄の幹細胞から、厚みがある細胞シートを作製する手法を開発。10日間の培養で、複数の層を形成する多層シートとなる。インプラント治療など、歯周組織の再建に役立つ可能性がある。歯髄の幹細胞は骨や軟骨など様々な組織に分化する能力がある多能性細胞で、臼歯(親知らず)の治療などで抜いた歯や乳歯などから採取。歯髄幹細胞を培養する培地には動物の血清などが使われる。研究チームはこれまで動物の血清を使わず歯髄幹細胞をコラーゲンで培養する手法を開発してきた。今回、幹細胞を培養する密度を最適化することで、厚みがあり扱いやすい多層組織が形成されることを見つけた。実際に歯髄幹細胞を10日間培養することで厚さ約33μmの多層の細胞シートができた。骨髄由来の間葉系間質細胞(MSC)を同じ条件で培養した場合より厚みがあり、ピンセットでつまんでも破れなかった。できた多層の細胞シートで人工骨の材料を包み、マウスに移植、MSCの細胞を使った場合より多くの硬い組織を形成。インプラントなどの治療では人工骨材料をまとめる結合材を使い材料の飛び散りを防ぐなどするが、歯髄幹細胞由来の多層シートは結合材も不要となる。中原貴教授は「柔軟性があり、患部が複雑でも材料をこぼさず移植できる。細胞シートそのものも骨の再生を促すことが期待できる」と話す。成果は国際学術誌「ステムセル・リサーチ・アンド・セラピー」に掲載。
*ふみ注:いつの日の歯無し・・?